おはようございます。
ここはえんがわオフィスのある神山町から車で約1時間の場所。上勝町。
朝7時。これから阿波晩茶の撮影が始まります。今日の作業はお茶の葉の天日干し。
今日お世話になるのは阿波晩茶農家の山田さん宅。
ずらーっと大きいバケツが並びます。
7月後半、摘まれたお茶の葉達。釜茹、揉捻後1ヶ月発酵させ、天日干しします。
まずは1ヵ月間バケツの中で発酵中のお茶の葉達とご対面。
発酵後の独特の匂いが工場に立ち込めます。
ぎゅうぎゅうに詰められたお茶の葉達。1つのバケツで100キロ以上はあるそう。
その葉を少しずつほぐしていきます。
いつも笑顔の喜美子さん。どんどんほぐします。
外ではタケシさんが太陽の下、お茶をシートの上に干す作業をしていきます。
天日干しするとさっきまでの匂いとは違い、蜂蜜の様な甘~い香り。
気持ちの良い太陽、お茶の香り、夏の終わりの緑達。幸せだな
干したお茶の葉を、気持ちいい風が通り抜けていきます。
まだまだ干します。
箒を使って満遍なくお茶を広げます。
強い日差しのお陰で、お茶の葉もカラっと乾燥してきました。
この日の湿度は40%弱。久しぶりにカラッとしたお茶を干すには最高の日となりました。
でも、この山に囲まれた地域はいつ雨雲がやってくるか分からない為、
農家さんは一旦干しだすと、気を抜けません。
雨が降ったら、全て屋根の下へ避難させます。
雨は大敵!
完全に乾燥させた後は、選別作業が待っています。
またこの作業が大変だそうで、全て手作業で葉とごみや茎などを選別していきます。
実は葉だけではなく、この茎からも沢山味が出るそうです。
阿波晩茶は乳酸発酵茶。非常に体に良いと、テレビでも取り上げられるほど。
体に良いのは何とも嬉しいことですが、なんといっても一番の魅力は、
手作業で大事に作られたお茶という事。
毎日朝早く起き、このなんともいえない甘い香りを楽しみながらお茶を干し、
冗談を言い、豪快に笑い、そして1日くたくたになるまでお茶のお世話をする。
作られた物には、必ず作ってくれた人がいて、汗を流し一生懸命仕事をした人達の姿がある。
当たり前の事ですが、その当たり前の事が凄く特別に思える。
仕事を通し、色んな事に気づかされ学ばしてもらい、
本当に私はラッキーだなと有難く思えた1日でした。
今後阿波晩茶を飲む機会があれば、是非この写真を思い出し、
作られた行程を思い浮かべながら、楽しんでほしいと思います。
そして。。まだまだ作業は続きます。
文/小川 由希子