遊山箱 -YUSANBAKO-
投稿日: カテゴリー: つくる日記業務

お疲れ様です。
中野です。

この春、徳島県観光PR動画「遊山箱-YUSANBAKO-」を作成しました。
4Kです。

この動画作成にあたり、問題はいくつもありました。
自分の中で一番の問題は、中野自身の「遊山」経験がなかったことです。

動画でも取り上げましたが、徳島独特の子どもたちの文化です。
誰もが経験する、そんな文化。
でもその遊山を経験した子どもたちは、今ではほとんど50歳を越えた人々です。

遊山経験者に遊山箱に関する思い出を聞きました。
おっちゃん、おばちゃん、じいちゃん、ばあちゃん、本当に沢山の思い出がありました。

徳島の人は興味を持ってもらえると何でも良くしゃべってくれますが、とりわけ遊山箱の食いつきはすごいです。

自分が使っていた箱の色、親御さんの話、ご兄弟の話。
近所の幼なじみの話、ごちそうの種類、当時の生活の話。

「思い出箱」だなと感じました。

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撮影にご協力いただいた方々の遊山箱を介した取り組みも少しご紹介します。

「漆器蔵いちかわ」さんは、遊山箱の復刻の第一人者です
徳島市にある新町商店街内にて、遊山箱の販売を行っていらっしゃいます。

NPO法人教育倫理プラザの皆さまには、鳴門市板東幼稚園の「卒園生を送る会」として遊山箱を使ったイベントを撮影させていただきました。
春から通う小学校の通学路にあるお宅を訪問し、手作りのごちそうを子どもたちの遊山箱に詰めてもらうのです。

見事な縁側や日本庭園や趣のある門は、阿波十郎兵衛屋敷をお借りして撮影しました。
また、遊山箱を持って人形浄瑠璃を鑑賞できるイベントも撮影させていただきました。
こちらでは徳島が誇る「阿波人形浄瑠璃」が毎日上演されています。

この他にも遊山箱をお貸しいだたいた江渕鏡台店さま、神山町・上勝町の方々にも御礼申し上げます。

このために上勝町で遊山会も開きました。参加してくれたのは3~8歳の少年少女です。
その遊山箱には私の母にごちそうを詰めてもらいました。
巻きずしは芯から炊いてもらいました。

遊山会の他、卒園生を送る会でも、遊山箱を下げての人形浄瑠璃鑑賞でも、この作品で食べている映像には、映ってはいなくても遊山箱全部に「遊山を楽しんでね」という想いで作られてたごちそうが入ってるんです。

食べる人に想いを送った人がいて、思い出に刻まれていくんだと思います。

「遊山」わからんけん、教えてください。
どうにか撮影させてください。
そんなお願いでこの動画ができました。

遊山経験者や、遊山を知る方々の優しさのおかげです。
その方々は、親御さんたちから優しさをもらった人たちなんだと思います。

私は遊山経験はありませんでした。
でも、適齢を15年ほど過ぎて遊山経験ができました。

いろいろな解釈があると思います。
私はやさしい文化と感じました。

この文化が徳島から途絶えてしまわないように、中野は応援したいです。
皆様もどうぞ応援をよろしくお願いいたします。

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ちょこっとお願いがあります。
徳島の方は、おじいちゃん・おばあちゃんにでもこの映像を見せていただければ幸いです。
どんな話が出てくるでしょうか。

お手数をおかけしますが
どうぞ、よろしくお願いいたします。

文/中野 祐里