新緑深まる5月21日、えんがわオフィスでは田おこしがありました。
田おこしとは、田植え前に土を耕しておく作業です。
五月晴れの昼下がり、「えんがわ米」をつくるために、みなで田んぼへと繰り出しました。
今回は機械が入らない田んぼの隅を、クワで耕していきます。
しかし、そんなことでへこたれるわけには行きません。
手にはクワ、首には手ぬぐい、日よけの帽子をかぶり、早速土を耕していきます!
普段、デスクワークの多いえんがわオフィス社員にとって、農作業はかなりの重労働です。
手にマメをつくってしまう人も出てくるほど。
それでも黙々と土を耕していきます。
ミミズ。やたら出会います。
ところで、
「なぜIT企業の社員が、クワを握るのか?」
と思ったそこのあなた。
農×IT。これは一見、違った要素の組み合わせですね。
でも良く考えてみれば、この関係は興味深い。
それはなぜか。
「耕す」という言葉は、ラテン語で「colere」、ドイツ語では「kultur」といいます。
そこから生まれたのが「カルチャー(文化)」といわれています。
「地を耕して作物を育てること、これが文化の原義である」 *1
ならば、農耕に触れることは、地域文化を知る手段のひとつだと思うのです。
私たちは、今あるものをミライに残す「地域アーカイブ」にも取り組んでいます。古い写真やテープをデジタル化して、後世に残す。
米作りを通して、今ある神山の風景をつむいでいく、地元の方に比べれば、田んぼに出られる時間も作業量もかなり限られますが・・・
米づくりもそんな風に繋がっていけたら良いなあと思います。
ある時はマウスを握り、ある時はカメラを持ち、ときにクワを振る。
えんがわオフィス社員、今年も美味しいえんがわ米を収穫するべく、がんばります!
文/藤田景子
*1) 中尾佐助 1966 『栽培植物と農耕の起源』