おひさしぶりです、小松崎です。
残す。聞く。話す。記録する。写す。撮る。録画する。録音する。取っておく。保存する。修復する。集める。整理する。閉まっておく。預ける。探す。見つける。使う。伝える。共有する。むかし。デジタル。いま。アナログ。
これは全部「アーカイブ」に繋がる言葉の一部と思っています。
私達は、地域をアーカイブする活動にコツコツ取り組んでおり、
アーカイブズが地域にとってどんな繋がりを持ってくるのかは、
まだまだ未知数ですが、いつかその時、何かの役に立つはずと思っています。
いつかの”その時”、
通勤路が10年経てば新しい店ができてまるで違う通りになってるかも知れません。通勤に使っていたバスも進化してそのうちブレードランナーの様に空を飛んでるかも知れません。新米のバスの運転手は歳を重ねて腹の出たベテラン運転手に、乗客の中学生は青春を空回りして70年代のやさぐれた音楽が好きな鞄職人になってるかも知れません。座席から眺めていた森だった場所には町開発で新しい駅が建ち、ノコギリクワガタがいた野山には大きな穴が開いてトンネルができているかも知れません。感じの良かった駅長はもうこの世にいないかも知れません。駅前に整然としたコンビニはあちこちにこれでもかと増えましたが、そのうち、顔の見える商店がまた増えてくるかも知れません。何だか居心地の良かったカレー屋も大型店舗の一角に吸収されて先代のカシミールカレーの味はもう作れないかも知れません。毎朝ヘッドホンでいつも聞いていたラジオ番組はいつのまにか終了してしまいましたが、ポッドキャストの中ではこれからも聴き続ける事ができるかも知れません。
正直この先どう変わっていくのかなんてわからない事がほとんどで、
2016年に起こっているコトやモノや当たり前の毎日も、
10年後の2026年には全然異なる形で、100年後にはもうまったく想像がつきません。
なので、毎日の”その時”をアーカイブしておくことをオススメします。
”その時”をアーカイブしておくと、
どういう風に役立つかは人それぞれ違いますが、
何かのきっかけのひとつに繫がるはずです。
時間にも限りがあるのでまずは、
自分の中で残しておきたいなと思える。
手の届く範囲の人達のこと。
あの特徴的な喋り方で何度も聞かされる昔話、真似できない手仕事、
一度は生活から途絶えた風習、現在の日々の暮らし模様。
気付いたら行ってしまう山の奥地に残る舞台のこと。
ラジオで流れてた音楽、旨すぎた食事の作り方、色々。
地域アーカイブズが徐々に色んな地域の日々の生活に浸透していけたら、
誰かが必要な”その時”にできる事が地域地域でたくさん増えるのかなと思います。
人はそのうちいなくなるけど写真や映像や音声にはその時がずっと残ります。
一度、アーカイブすることを自分の生活にあてはめて、
その時を想像してみてはいかがでしょう。
目の前の100年後はどうなってますか?
文/小松崎 剛