「風呂出で 詩へ寝る 月輝る 粉健…」
この文章は何かというと、ベートーヴェン交響曲第9番、通称「第九」のドイツ語歌詞を日本語の語呂合わせにしたもの。
徳島県鳴門市出身の私は、小学生の音楽の授業で「第九」をドイツ語で歌いました。
音楽の先生が、歌詞を覚えられるようにとこの語呂合わせを教えてくれました。
今でも、「ふろいで しぇーねる げってるふんけん」までは覚えています(笑)
なぜ、学校の授業で「第九」がドイツ語で歌われるのか…それには深い理由がありました。
第一次世界大戦中の1918年6月にアジアで初めてベートーヴェン第九交響曲が演奏されたのが、徳島県だったのです。
それには徳島の人々とドイツ人俘虜たちとの友好の歴史がありました。
2006年に公開された映画「バルトの楽園」でも取り上げられています。
この「第九」をテーマとした県のPR動画を制作すると決まった時、この約100年の歴史と想いを3分にまとめるというのは難しいなと感じました。
歴史を調べると徳島の人々とドイツ人俘虜たちにまつわる面白いエピソードや興味深い歴史がたくさんありました。
その中でも歴史のキーマンとなった松江豊寿さんと徳島の人々の優しさに焦点を当てて、構成を考えました。
鳴門市ドイツ館の館長川上様をはじめ、スタッフの方々にインタビューや資料提供でご協力いただきました。
鳴門市ドイツ館には当時の貴重な資料が数多く残っていますので、まだ行ったことのない人は一見の価値ありですよ!
また、2016年1月にアスティ徳島で大規模な第九演奏会が行われ、撮影にお伺いしました。全国から約1800人の方が集まっての演奏会は大迫力!
この迫力を映像でお伝えするのは難しいですが、4Kの高精細さを活かして空気感を感じていただければと思います。
PR動画「「第九」アジア初演の地・徳島に響く歓喜の歌」を観て多くの方に、徳島の人々とドイツ人俘虜たちの友好の歴史のことを知って興味を持ってもらえたらと思います。
2018年には第九アジア初演100周年を迎えます。
100周年に向けて徳島県では様々なイベントや取り組みが行われています。
第九演奏会を聴きに行くのも良いですし、歌ってみるのもいいかもしれませんね。
私は記念すべき100周年の第九演奏会を撮影して、後世に残したいです。
文/湊 由志美