これまでのトーク4回(【1】【2】【3】【4】)に続き、NPO法人グリーンバレー理事長の大南信也さんと株式会社プラットイーズ会長の隅田徹の2人に、えんがわオフィス広報担当の谷脇が聞きました。今回で最終回になります。
(大南さんの敬称はタイトル・本文の一部で省略させていただきます)
<大南>
普通ってよそから人間が入ってきたら、新しいこと持ってきたら、
「おれら変わらんけど、お前ら変われ」っていうやん、田舎って。
ほやけど、「おれらも一緒に変わっていこう!」っていうのが、多分神山のおもしろいところなんよな(笑)。
<たにわき>
なかなかそんなんないですよね。
で、(神山では)みんな楽しそうにやってるんですよね。
やってる人が一番楽しそうにやってる。それが一番いいんでしょうね。
で、それが長続きもするし、やってる人みんながうまいことやれるんだろうなっていう。
<スミタ>
まさにそこやね! 実際、よく言われるように隙間を作ってったんやね、神山はね。
なかなかね、都会でも田舎でもそうだけど、ある団体とかある集合体とかって思いが近い人が多いから、どうしても排他的になるよね。
<大南>
まぁ、ほうやな。
<スミタ>
多様性をほんとにいいと人間が思っているかっていうたら、そうでもないからね。
多様性を維持する・広げていくっていうのは結構難しいことやね。
そこをここ(神山)はできているっていうのはすごい。
そのポイントはね、ちょっとおもしろがったり、
あんまりカリカリやらんと、ええ加減なところやったり。
<大南>
ええ加減なんよなぁ(笑)。
<スミタ>
そのええ加減さが隙間を生む。
その隙間に(人が)入る余地が出てきて、結果的に多様性がどんどん進んでいくと。
そこは我々も気をつけなあかんとこで、我々のようなクリエイティブなことを商売にしてるような所は、結構排他的なんよ。これはこれで。都会的やけど排他的なんよな。
多様性をどう維持するか、隙間をどうやって作ることを許容するか って永遠の課題やね。
<たにわき>
私が東京にいるときに、地域活性化についていろいろ学んだのをまとめたんですが、
それは「多様性のある田舎をつくる」ということだったんですね。
で、神山に来たらそれがもうできてて「できてるんだ!」ってビックリしたんですよね。
<スミタ>
僕が凄いなぁと尊敬してるのは、ちゃんと楽しんでいる。刈り取りを毎回してるとこ。
真面目な人・賢い人ほど、将来のために頑張っちゃう。結構つらいことでも。
そうすると、ずっとつらかったりもするからね。
毎回毎回ね、明日のためにやってることもあるんやけども、それはそれでその時も楽しみながらやるっていう。ちゃんと刈り取りをしていかんとね。
みんなが続かないよね。広がっていかないし。
そこが、(神山は)結構できてるかなっていう。
頑張り過ぎみたいのもあるからね。なんていうか、こだわりすぎる不幸みたいなのがね。
<たにわき>
今を楽しむっていうのをうまいこと入れていく。
<スミタ>
その要素も何割か入れんと続かないよね。広がっていかないよね。
日本の多くの地方で展開されているのは、僕もまだまだ知ってる事例は少ないけども、集中しすぎている不幸みたいなのが散見されるよね。
<大南>
日本人の独特の「頑張ればできる!」みたいな。ほんなところが結構あるよな。
<スミタ>
なんかしらかの自己犠牲なり組織的な犠牲なりのもとの美談、みたいなね。
それは、続かんのとちゃうかなぁ。
<大南>
そうよなぁ。
<たにわき>
最後に、若者にメッセージというか今伝えたいことを。
<大南>
ま、グリーンバレーのモットーかな。
英語で Just Do it!
やったらええんちゃうん!(笑)
<たにわき>
やったらええんちゃうん!(笑)
<スミタ>
それだよな。
<大南>
まずやってみて、やっていろんな課題を見つけてきて、それを1個1個つぶしていく。
そしたら、やれる範囲っていうのがだんだんだんだん広がっていって、
それがひょっとしたら社会にまで達して、それで社会を変えられるっていう状況。
まずは身の回りのことで、「できたらいいな」と思うだけでなく、ちょっとやってみるっていうことが大事かな。
<スミタ>
そこはまったく一緒で。
僕らは「のこす」仕事をしてるから、
残すべきものは何か? 残していくにはどうしたらいいか?
ということを常に考えていかなければいけないんだけど。
まぁいつも思っていることは、
いい物を残していくためには、自分自身らも変わっていかなあかん ていうこと。
そういうところが一番大事。
結構変わっていくのってパワーいるから、毎日毎日さっき言うた通りに刈り取りをしていかんと。適当に楽しんでいかないと。
人間もアザラシと変わらんから、エサもらわんと。
次の芸やらんで。(3人笑)
<たにわき>
ちゃんとね、食べながら楽しみながら続けていくと。
<スミタ>
うん、そういうところが大事かなぁ。
<たにわき>
今日はありがとうございました。
ええインタビューでした(笑)。
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私自身「おもしろがり屋」と名乗ることもあるんですが、大南さんたち神山の人々は「おもしろがり屋」の大先輩でした。
隅田も含めて、神山にはチャレンジをおもしろがって協力してくれる大人がいっぱいいますね。
とにかくやってみて、その試みをみんなでおもしろがれれば、とりあえず何かしら前進して続けていけますね。
「やったらええんちゃうん」
ということで、みなさんもとりあえずやってみて、未来に繋がる今を楽しんでください。
みんなで何でもおもしろがりましょう!
谷脇研児
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大南・隅田ご近所トーク
【1】えんがわオフィス誕生秘話~出会い編~
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